知っておきたい!家庭教師バイトの仕事内容
2018/10/09
生徒の家に訪問し、マンツーマンで勉強を教える家庭教師アルバイトですが、その仕事内容は単に勉強を教えに行くだけというものではありません。受け持つ生徒とご家族に満足してもらうためには、ニーズに十分にフィットした授業が求められ、またそのための下準備も欠かせません。今回は、家庭教師の仕事とはどのようなものなのか、あまり知られていない授業以外の業務にも触れながら説明します。
家庭教師の仕事①:授業について
家庭教師アルバイトで最も大きな仕事は、言うまでもなく生徒指導、すなわち授業ですが、一括りに授業といっても指導内容は生徒によって様々です。学校の授業の補習や苦手科目の克服指導、難関校の受験対策まで、生徒の学年や利用目的は幅広く、求められる指導も異なります。そこで、家庭教師に求められる生徒指導とは具体的にどのようなものなのか、生徒の利用目的別に説明します。
学校の授業の補習
指導内容が学校の授業の補習の場合、勉強の習慣づけや苦手科目・分野の克服、予習・復習の補助が主な仕事となります。将来的には受験を考えているが、まだまだ先の話で、今は学校の授業に遅れを取らないように苦手科目を中心に教えて欲しいという生徒が多いようです。
このような生徒の中には、部活動や遊びを優先してしまい、日ごろの勉強時間を十分に確保できていないという生徒も少なくありません。まずは生徒に勉強習慣を身につけさせることが必要となります。「家庭教師の授業以外は家で勉強しない」ということになってしまっては、せっかくの指導も水の泡です。生徒の勉強量が変わらなければ、いくら親切丁寧に指導したところで生徒の成績は伸びませんし、保護者の方にも満足して頂けません。生徒の勉強意識改革も、家庭教師の重要な仕事です。勉強習慣が全く無いという生徒には、復習問題の課題を出したり、定期的に小テストをするなどして、授業のない日でも机に向かう習慣を身につけさせましょう。
生徒の苦手科目や苦手分野を教える際には、どこが分からないのか、いつから分からなくなったのかをしっかりとヒアリングし、一から丁寧に教えてあげることが大切です。学校の授業についていけなくなってしまい、自分で取り返すのが難しいという場合が多いので、まずはじっくり時間をかけて、分からない部分を徹底的に解消してあげると良いです。少し理解できるようになったところで、問題演習に取り組ませ、「基礎さえ理解できれば簡単だ」ということを認識させましょう。問題演習を繰り返し、段階的なステップを踏むことで、苦手意識は徐々に解消されていきます。理解した内容が抜けないように、最初の内は毎回復習問題を課題として出すということもおすすめします。
予習・復習の指導では、生徒が学校でどのように教わっているのかをしっかりと認識し、学校での指導と食い違いが生じないようにすることが大切です。予習を指導する際、しばしば学校で教わらないようなテクニカルな内容を教える先生もいますが、あまりに様々な情報を詰め込むと、学校での指導との差に生徒はかえって混乱してしまうこともあります。テキスト内容をしっかりと確認して、教えるべき内容の取捨選択を意識することが大切です。復習に関しても、学校で教わっている内容と矛盾の無いように指導することを心がけましょう。その上で、生徒が学校で理解できなかった部分は、自分なりの分かりやすい指導を取り入れ、納得してもらえるまで丁寧に解説するようにしましょう。
受験対策
主に中学受験対策、高校受験対策、大学受験対策がありますが、どの場合においても基礎レベルの指導だけでなく、応用問題の解説が求められることが多くなります。高校受験、大学受験は言うまでもなくレベルの高い学習内容の理解が必要となりますが、中学受験指導の場合でも「小学生が解く問題だから簡単だろう」と侮ってはいけません。偏差値が60を超える中学校の入試問題は、深い知識と相応の応用力が問われますので、生徒の疑問にきちんと解答できるように、しっかりと準備して授業に臨みましょう。受験を間近に控えた生徒は、志望校対策を重点的に指導して欲しいという場合も多いので、生徒の志望校の過去問をチェックしておくことも大切です。
受験勉強に取り組んでいる生徒は、基本的に日々の勉強時間をしっかりと取っていることが多く、課題を重くして勉強習慣をつけさせることをそれほど意識する必要はありません。むしろ、家庭教師は補足的に利用している生徒が多いので、指導を厳しくしすぎて生徒の負担が増大しないように注意しましょう。受験勉強で極度にストレスを溜めている生徒も多いので、ただ勉強を教えるだけでなく、雑談でリフレッシュさせたり、勉強や進路に関する悩みを聞いてあげるなどして、精神面で支えてあげることも意識しましょう。
また、受験対策指導では、応用問題ばかりに捉われすぎて基礎を疎かにしてしまうということがしばしばあります。もちろん、志望校の過去問など実践的な問題の対策は必要ですが、基礎内容が曖昧だといくら応用を練習したところで正しく理解することは難しいです。時には簡単な問題の確認演習も行い、基礎が抜け落ちていないか確認しながら進めると良いでしょう。
家庭教師の仕事②:授業の予習
「家庭教師アルバイトに予習は必要なのか?」という疑問を持っている人は多いですが、生徒に授業をする以上、基本的に予習は必要です。授業で教える分野は分からないところのないようにテキストで確認し、取り扱う問題は事前に確認した上で正解を導き出せるようにしておきましょう。自分が理解していないがために質問に答えられず、「分からないから学校の先生に聞いて」というのは論外です。質問してくる生徒の期待を裏切らないように、事前準備は入念にしておくべきです。余裕のある人は、おすすめの問題集から良問をピックアップしたり、理解しやすいようにオリジナルのプリントを作ったりというような工夫をして、質の高い授業を目指しましょう。生徒のレベルにもよりますが、だいたい30分~1時間ぐらい予習に時間を取っているという先生が多いようです。
家庭教師会社によって、指導に使う教材が決まっているところもあれば、先生が自由に決めるところもあります。会社が教材を決めている場合、基本的にテキストの解説が先生に配られるので、それを参考にしながら予習を進めると良いです。一方、教材が決められておらず、生徒が持っているもので指導する場合は、予習がするのがやや難しいかと思います。このような場合は、事前に次回指導する予定の学習内容をしっかりと把握しておき、代わりに自分の持っている参考書で確認するなどしてできる限りの準備はしましょう。
ただ、複数の生徒を相手に60分間黒板を使って講義をする集団塾講師のような、綿密な予習をする必要はありません。集団指導の塾講師の場合、説明する内容や授業の進め方を事前にしっかりと決めておく必要がありますが、マンツーマン指導の家庭教師の場合、生徒の理解度に合わせて自由に授業を進められるので、手の込んだ予習をしてこないと授業が成立しないということはあまりありません。指導予定の分野の内容なら基本的にどのようなことでも説明できるという状態にさえしておけば大丈夫です。
家庭教師の仕事③:指導報告書の作成
教育系アルバイトの仕事につき物なのが、この指導報告書です。家庭教師会社に登録してアルバイトをする場合、会社が指導状況を把握する為に、指導報告書の作成と提出が求められることがあります。通常、1ヶ月に1回など定期的に提出が求められ、主に該当期間の指導に関する情報を記載します。具体的には、授業日時や指導内容、生徒の成績、宿題、今後の学習方針などで、記載内容によっては、指導に関して本部の指示が出る場合もあります。会社によって、比較的詳細に指導状況を記載しなければならないところや、報酬計算目的の簡単なものでよいところなど様々です。
授業時間以外に作成する必要があるため、指導報告書の作成は「時間外労働」となる場合が多いと思われます。しかし、家庭教師の場合は、塾講師アルバイトに比べるとこのような書類作成で拘束される時間は短く、授業時間以外の労働が大きな負担になることはあまり無いようです。派遣会社によって指導報告書作成業務の内容は異なりますので、採用面接の際に、授業以外の労働の内容と給与体系に関して確認しておくことをおすすめします。
責任が大きい分やりがいに満ちた仕事
いかがでしたでしょうか?マンツーマンで生徒に勉強を教える家庭教師アルバイトでは、生徒一人一人に合った質の高い授業をするための下準備や指導報告書といったような、授業以外の仕事も任せられます。生徒の勉強指導を一任される責任は大きいですが、非常にやりがいを感じられる仕事でもありますので、是非一度トライしてみてはいかがでしょうか?